扉、開く
- arabic1129
- 2022年2月7日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年2月15日

両サイドに、ゴオッと大きな音をたてて、自動ドアが開いた。
喧噪は、人だかりと、話し声と、綺麗に並んだ両替窓口からの呼び込みで作られていた。目前に、鮮やかな色とりどりのカウンターが並ぶ。
のんびり屋の私は、ここで両替が必要か考えて、人だかりが落ち着いた場所で、200ドル出した。 初めての中東で、念のために日本からドルを用意していったが、全くの取り越し苦労だった。 どのカウンターにも 日本円の表示がある。
そろそろ歩きながら、”何も見落とさないぞ”と意気込み、目を左右上下にくるくるさせながら、
ミーティングポイントへ着いた。
本来、ここで 真剣に眼球を動かすのだろうが、
名前を書いたボードを持った人たちが こちらを見ている。
たかってくるようにしか見えなかった。 ボードにはMR. と書かれたものばかりで、
自分の名前を探したが、無い。
”まあなあ、、、フライト連絡したのに 迎えに行くとも何とも言ってこなかった。
自分で来いという事だな。やはり、女への否定の合図かもしれない。 朝5時到着じゃなあ。。”
あきらめて、タクシー乗り場へ。
”タクシーに乗る前に交渉すること”
”前に来た時と 変わってないなあ” と言うこと。
いくつかの、社長からの注意点を思い出しながら、
「Abu Dhabi」 (アブダビ) と言う。
今だったら、ドライバーの顔が上気したことにも 気づくだろう。 それに、上気するどころか、文句も出るだろう。
この当時は中東ものんびりしていて、帰路(アブダビからドバイへの)が
空になることは、計算に入らない。
片道150キロの運賃を支払う上客だった。
「How much」 (ハウマッチ)
「250 Diraham」 (250ディラハム)
んっと、30かけて、7000円。
あまりにも安くて、ネゴる(交渉する)のを忘れてしまった。この時50ディラハム高られてたと思う。
あっさりトランクにキャリーケースを入れてもらい、タクシーに乗り込んだ。
車は もちろん、Toyota。
太陽は上ったばかり。 温かい日差しと、朝の気持ちいい風が車中に流れ込む。
タクシーがスピードを上げだした。
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