着いたけど
- yassmin924
- 2022年2月15日
- 読了時間: 3分

砂漠の中の一本道を横切る高速が見えてきた。
タクシーが突然にスピードを落としたら、ガソリンスタンドが見えてきた。 車をとめ、ドライバーが聞く
”coffee?"
”no thanks"
ガソリン給油と思いきや、単に 休憩だった。
そりゃそうだ。 ずっと、黙って二人で走ってきた。
私は、物珍しくて、 右に左に目をやり、倉庫らしき建物が並ぶ一角に、日本ブランドのロゴや、国際輸送会社のロゴを見つけて 写真を撮る始末。
ドライバーは 退屈だし、眠かったのだろう。
それにしても、ずっと走ってきて、ここに来るまで、店なんて何もなかった。
よくもまあ 私も飽きずに砂漠を見ていたことだな。
半分飲んだコーヒーを持って ドライバーが戻ってきた。 まずそうな色だった。よかった頼まなくて。 ガソリンスタンドを出て、横切る高速をくぐり、15分ほどすると、ぽつぽつ建物が見え始めた。
公共機関らしき建物、建設中のモスク、学校。
アブダビに入ったようだった。
アブダビ市内中心部は、10階建てほどのビルも道沿いにずらっと並んでいた。
どこに行くか聞かれたので、ホテルの名前をつげ、持ってきた ホテルへのアクセス地図を渡す。
ドライバーと別れ、ホテルにチェックイン。
このホテルは お客が予約してくれた。5つ☆ではないが、いいホテルだった。
まだチェックイン時間ではないが、受付はこだわる様子もなく、パスポートを求め、何やら確認して、ルームキーをくれた。
部屋に入ると、ベッドの大きさにたまげた。 でも気持ちよさそう。
そしてすぐさま、私の癖ともいえる、窓から見える景色を、写真におさめた。
プールが見えた。青々、なみなみしている。 ヨーロッパ人がいた。
まだ、パソコンを持参しておらず、会社との交信も、ファックスか電話が主な頃だった。
”ビジネスセンターの場所を確認するように”
これも社長の注意点の1つだった。
部屋番号知らせるファックスを書いて、ビジネスセンターに依頼する。
流れたというメッセージをつけて 戻ってきた。
部屋に戻り、ベッドの反動を確かめながら そっと腰かけ、静かな空気の中にいる自分に、
何をしたい聞いてみた。
コーヒーが飲みたい。
ドバイ空港からここまで、長かった。 商談の時間までに一時間弱余裕あり。
中東のホテルには 必ず 電気ポット、ミネラルウォーター2本、ガラスコップ、コーヒーカップ、
ネスカフェ、リプトン紅茶 はそろっている。
が、持参したドリップコーヒーをいれ、くつろいだ。
最初の商談先、約束の時間、覚えてるかな。
少し不安になりつつ、商談の資料を取り出し、確認し、鞄に入れた。
カタログ、
見積、
手土産もあった。
初めてということで、社長が気遣って、用意させてくれたのだ。
つまり、土産だけが入ったカバンが1つ キャリーケース以外にあるのだ。
これが空になるのは、2週間後だ。
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